後期研修1年目の研修スケジュール

後期研修1年目の9か月は病棟(そのうち3か月は筑紫病院の病棟を回ることもあります)、3か月はNICUを回ります。後期研修1年目の1週間を紹介します。

入退院カンファレンス

朝は、まず入退院カンファレンスから始まります。教授、各チームに前日・夜間帯に入院した患者をプレゼンします。情報の共有をし、治療方針の確認を行います。疾患について教授からの質問に答えられるように準備します。学生にプレゼンするように指導することもあります。

病棟の研修

病棟はチーム制で入退院カンファレンスの後、チームカンファレンスにうつります。自分の持ち患者の状態・治療方針をチームで情報共有します。相談しやすい雰囲気で、重症な児や病態の把握が難しいときはチーム全員で意見を出し合って、お互いの知識を深め合う場でもあります。

それぞれ入院患者の回診を研修医や学生と共に行い、指示出しや、また予定の入院患者の対応を行ったりします。突然、けいれん重積や腸重積、アナフィラキシーの患者の入院があたることがあります。現在の受け持ちの数で次に入院があたる順番が決まっているので心の準備をしておきます。初めて持つ緊急の疾患の対応は、オーベンもバックアップしてくださるので、心強いです。あいた時間があればサマリー書きや、学生の指導なども行います。

NICUの研修

入退院カンファレンスの前に8時から全員で採血をします。入退院カンファレンスの後、月曜日は産科・小児外科との周産期カンファがあり、情報を共有します。

NICUもチーム制で、チームの先生に相談しながら診察や採血データをもとに、指示出しを行います。NICUはほぼ入院は緊急の入院患者で、重症な入院患者であればNICU医師全員で協力し、治療を行います。火曜日・金曜日は産科の新生児診察を行います。

共通の研修

週の1度、教授回診があります。教授の前で自分の受け持ち患者を簡潔にプレゼンします。以前は病室を回っていましたが、現在はcovid-19の流行の影響でZOOMを用いたカルテ回診になっています。朝のカンファレンスで聞かれて答えられなかった質問等を調べて、教授回診の場で再度説明したりもします。

週に1回、抄読会があり、年に1~2回の頻度で自分の担当が回ってきます。自分が興味を持った論文をPowerPointにまとめて発表します。なぜその論文に興味を持ったのか、今後どのように活かせるのかなどの質問にも答えられるようにしておきます。

月に2回程度、若手向けのABCカンファがあり、アナフィラキシー・けいれん・喘息発作など実際に臨床・当直などで遭遇しやすい疾患の対応・治療をそれぞれの専門の先生が簡潔に教えてくれます。これで当直も怖くない!と少し自信がつきます。

院内当直は平日に3回、土日どちらかに1回あります。かかりつけ児の受診依頼・救急車対応、急患センターからの入院依頼、病棟対応などが主な業務になります。最初のうちは上級医がバックアップとして一緒に泊まってくれます。残業している病棟医の先生と当直飯(UBER)なども楽しめます(笑)。当直の次の日は、午前でだいたいの勤務が終わるようにしてもらえて、入院などはあたりません。

アルバイトは、院外の当直と外勤があります。院外の当直は、まだ忙しい急患センターなどの当直ではなく、療育施設でのほぼ寝当直の当直なので一人でも不安はありません。平日は週に1回程度、成人の健診のアルバイトをしています。九州県圏内の企業で行い、遠出もあるのでちょっとした旅行気分を味わえて気分転換ができます。

土日は、病棟もNICUも交代制で出勤し、チームの受け持ちの患者の診察、指示出しが終わったら当直の先生に任せて帰ります。緊迫した状況の患者の主治医であれば、泊まり込みもありますが、基本的には当直の先生に任せて夜間・休日は休息をとります。夜間・休日に主治医に電話がかかってくることはほとんどないので、オンオフははっきりしています。もちろん、勉強などの自己研鑽は土日でもやります。

最後に

小児科は忙しすぎて大変そうというイメージがあるかもしれませんが、当科はオンオフははっきりしていて、夏休みも2週間とれます。色んな症例が経験できて、やりがいのある科だと思うので、ぜひ見学にきてください。